「100年に1度」と言われるような厳しい不況の中で、中小企業ではギリギリの努力が続けられています。栃木県は自動車や電機関係の中小製造業も多く、今年に入ってからは50%減、90%減という話があちこちから聞かれます。
こういう時期に中小企業はどうするか。もちろん生き残るための最低限の資金確保は必須なのですが、その上で次を考える、いずれ来るであろう景気回復後の自社のビジョンを見据える、このことが次の段階での差になるのだと思います。
最近の「日経ビジネスマネジメント」に掲載されたロンドン大学経営大学院教授のドナルド・サル氏の論文では、困難な時にこそ飛躍のチャンスをつかめる!という立場で、「不況が好機に転じる7つの要因」を挙げています。
<外的要因>
1.ライバルが市場から撤退する
2.優良企業を安値で買収できる
3.固定資産を安価で取得できる
<内的要因>
4.過去のしがらみと決別できる
5.外部環境の悪化が困難な決断を可能にする
6.組織内に危機感が醸成される
7.長期的な視野に立って行動できる
「不況こそ成長の好機」 (151KB)
この議論の前提として興味深いのは、確かに今回の不況は100年に1度と言われるような大規模なものではあるが、これまでにも今回以上の厳しい不況を経験している業界があり、その経験の中から上記の「7つの要因」を導き出していることで、単なる精神論や机上論ではない、ということです。
実際、バブルがはじけたころの不動産業界、2001年のIT不況のころのIT業界、米同時多発テロ後の航空業界など、その業界にとっては今回の不況以上の厳しさもあったのではないかと思います。
今回は急激に落ち込んだだけに、回復し始めるタイミングも案外早いのではないかという気がしますが、一方で元と同じようなレベルに回復はしないだろう、というのが大方の見方です。下請けの立場にいる多くの中小企業にとっては、厳しい選別が始まる序章なのかもしれません。
それだけに当面の逆風を首を縮めてやり過ごすだけではなく、遠くを見据えて前進するための手立てを考えておかなければならないでしょう。